勇者あああああの冒険譚

その世界に名を刻む勇者の名は、
あああああ

名付けの理由を知る者はいない。
出生の記録には、母が感極まり叫んだ声をそのまま書き留めた、とだけ残っている。


第一章 旅立ちの村

あああああは、平凡な村・はじまりの村で育った。
剣の腕はそこそこ、魔法はからきし、だが逃げ足だけは一級品だった。

ある日、王の使者が村に現れる。

「魔王が復活した。勇者よ、世界を救ってくれ」

村人たちは一斉に後ろを向いた。
視線の先に立っていたのが、あああああだった。

「え、オレ?」

こうして、本人の意志とは関係なく、勇者あああああの冒険は始まった。


第二章 最初の仲間

最初の仲間は、僧侶のいいいいい
回復魔法は優秀だが、常にHPが半分以下になるまで回復を渋る癖があった。

「まだ大丈夫です。節約しましょう」

次に加わったのは、魔法使いのううううう
強力な呪文を覚えているが、MP管理が壊滅的だった。

「ここでメラゾーマ撃ちます!」

「まだスライムだぞ!?」

パーティは不安しかなかった。


第三章 数々の試練

砂漠では道に迷い、
雪山では装備不足で凍え、
ダンジョンでは宝箱の9割がミミックだった。

それでもあああああは言った。

「なんとかなる。今までも、だいたいなんとかなった」

実際、なんとかなってきた
致命的な失敗をする直前で、必ず誰かが転ぶか、敵が自滅するのだ。

人々はそれをこう呼んだ。
勇者あああああの不運回避スキル(無自覚)


最終章 魔王との対峙

ついに魔王城。
玉座に座る魔王は低く笑った。

「貴様が勇者か。随分と気の抜けた名だな」

あああああは剣を構え、震える声で叫んだ。

「名前は関係ない!
 オレは…オレたちは、ここまで来たんだ!」

戦いは熾烈を極めた。
仲間は倒れ、MPは尽き、剣も欠けた。

その時、あああああは何も考えずに突撃した。

結果、魔王は自分の呪文を反射した壁に当て、
自滅した。

沈黙。

「……勝った?」

こうして世界は救われた。


エピローグ

後に語られる勇者あああああの伝説は、こう締めくくられる。

知恵も力も完璧ではなかった。
だが、最後まで諦めず、逃げながら前に進んだ勇者だった。

あああああ本人は、故郷に戻り畑を耕している。

「冒険? もういいかな」

今日も世界は、平和である。